LUMIX GH5SとGH5をISO感度で比べてみますとGH5Sが常用で160から51200、拡張では80から204800です。
GH5は常用が200から25600、拡張で100から25600ですから、前者のGH5Sの方がより高感度に対応しています。
そして前者は、低ISO感度回路と低ノイズ高ISO感度回路の2つのISO回路を搭載するデュアルネイティブISO技術を導入しています。
実際に撮影してみるとGH5Sの高感度撮影時のノイズはGH5と比較してどの程度解消されているのでしょうか?
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この動画は、カズチャンネル/Kazu Channel!さんのLUMIX GH5Sのレビュー動画です。
動画9分12秒以降でGH5、GH5Sの高感度も解説してくれているので参考になります。ぜひ視聴してみて下さい。
LUMIX GH5Sは、撮像素子の画素数をGH5の約半分に減らした約1100万画素にしています。
その理由は画素数を減らすことで、1つの画素の大きさを広くできるからと言われています。
1画素あたりのサイズが大きくなると捉えられる光量が多くなりますので、光量の少ない撮影環境でもGH5より鮮明な画像あるいは動画が撮れるという理屈です。
加えて、業務用カメラに使われているデュアルネイティブISO技術を導入していますので、高感度での撮影は、より高品質になっています。
パナソニック製シネマカメラ VARICAMにも搭載されているパナソニック独自の先進技術「デュアルネイティブISOテクノロジー」をGH5Sに搭載。一般的なイメージセンサーは、単一の感度・ゲイン回路構成を有していることから、高感度になるほどノイズも同時に増幅されてしまうという課題がありました。デュアルネイティブISOは、低ISO感度用と低ノイズ・高ISO感度用の2系統の専用回路をイメージセンサーの各画素に装備。高ISO感度設定時でもノイズの増加を極限まで抑えた、階調豊かで解像感のある美しい描写が得られます。
この革新的な技術により、お客様からご要望の高いISO6400クラスの低照度環境下においても美しい描写を生み出すことができ、PC編集によるノイズリダクションなど撮影後のワークフロー時間を短縮するなど、映像制作のクオリティをさらにステップアップさせることができます。
一方でボティ側の手ブレ補正機能を省略して、カメラの重さを軽くするようなことも行われています。
これは光量の少ないところでの撮影では、しっかりカメラをホールドしないと失敗することも多くなると考えられるでしょう。
あるいは手ブレ補正を省略したことで、初心者等の使用を最初から除外したともとれます。
GH5Sで動画撮影する場合は手振れ補正性能を搭載したレンズを使用しつつ、三脚や3軸ジンバルのような手振れを抑えることができる撮影機材を使う必要もあるでしょう。
参考:GH5Sで動画撮影するとき3軸ジンバルは必要?買うならどれが良い?
それにプロ用の技術であるデュアルネイティブISOの採用や、シネマ4K/60p動画が撮れるNX80など、LUMIX GH5Sは完全にプロ用のカメラなのではないかとも思わせられます。
いずれにしても、LUMIX GH5Sは高感度撮影を得意としていて、動画性能が非常に高いカメラだと言えるでしょう。
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ポートレート撮影ではLUMIX GH5Sでは焦点距離が40mmから50mmのレンズがよく使われますが、ここでは開放絞りがF4と少し絞って撮影した写真を例に1つ見てみます。
写真は flickr GH5SとLEICA DG 12-60/F2.8-4.0 作品から引用しています
絞り:F4.0 シャッター速度:1.3秒 ISO感度160
室内でろくな照明がないと、絞りF4でシャッター速度は手振れしない限界の60分の1秒程度にするとは数百のISO感度では完全に光量不足になります。
ISO1000位でもまだ露出不足で、5000くらいまでISO感度を上げると適正露出になります。
同じシャッター速度を撮影しやすい1/125~1/250秒ぐらいまで速くすると、ISO感度はさらに上げなければならなくなりますが、GH5Sならば、画像はISOが5000でも25600でもほとんど違いがわからないくらい鮮明です。
写真は flickr GH5SとLaowa 7,5 f2 作品から引用しています
絞り:F2 シャッター速度:40秒 ISO感度1250
夜景や星空の撮影の場合は、絞りF4でシャッター速度60分の1秒程度となると、ISOは2000以上でないと露出不足です。
夜景の撮影は三脚を使う場合、スローシャッターで撮れるのでISOは2000以下でも十分きれいに撮れます。
写真は flickr GH5SとOLYMPUS M.8mm F1.8 作品から引用しています
絞り:2.8 シャッター速度:1/40 ISO感度6400
もう少しISO感度をあげていきますと、10000を超えるあたりから光量が多すぎな感じがしてきます。
しかし画像あるいは動画の質は露出の差はあるものの、ISOの値に関係なくきれいです。
なお、GH5Sではカスタムボタン設定でISO感度をファンクションボタンやコントロールダイヤルに割り当てることができます。
私個人的にはコントロールダイヤルに割り当てるとISO感度の変更をすばやくできるようになると思いましたよ。
ここでは比較的暗い室内の写真と夜景の写真を紹介しましたが、GH5Sの実際の画像や動画をみると高感度撮影に強いカメラだと納得できます。
(関連リンクに作例リンクを用意しているので参考にご覧ください)
尚、GH5SのオートフォーカスについてレンズによってAFの性能は異なりますが少し触れておきます。
GH5は競合機種となるSONY α7シリーズやα6500シリーズと比較するとオートフォーカス性能はややモッタリしています。
しかしLUMIXのマイクロフォーサーズレンズは、一般にオートフォーカスの性能が良く、特に光量のある場所なら比較的早くピントが合わせられます。
高感度撮影に強いLUMIX GH5Sであればノイズを気にせずISOを上げることができるので、GH5よりは快適に撮影できる印象があります。
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✅高感度設定時のノイズの少なさはさすがといった感じ
✅GH5よりもオートフォーカス撮影がやりやすい
✅手ブレ防止には対応レンズとジンバルが必須