M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 買いました!
LUMIX G9を買ってから
「欲しい!いつかこのレンズ買う」
と思っていましたが、オリンパスが2月に値上げを告知した時点で即買いです。
今年の2月に値上げ告知があり即ポチった
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
オリンパスがカメラ事業を売却しましたが、市場価格は全然値下がりしていない。
買ってよかったと思えたレンズの1本です。
パナ機をこれから買う方はカメラボディとこれ一本買えば当分の間ご満悦ですよ。 pic.twitter.com/rr79pfaiKJ— おーとふぉーかす@ブログと動画編集でメシを食う (@sonycameralove) July 15, 2020
購入してから6か月経ち、いろんな撮影に使ってきましたので作例を紹介しながらレンズレビューします。
結論から先に言うと、「買って良かった」と心の底から思えたレンズです。
特に動画撮影をする方は必須のレンズだと思います。
仕事でも使ってみたので、その点もレビューで解説するのでぜひ読んでみてください!
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを知ったきっかけは
「BMPCC4Kに最高のレンズ」
として、たくさんの映像クリエイターさんがM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを取り上げていたことです。
マイクロフォーサーズ機のLUMIX G9 Proをレンズキットで購入し、次に買うレンズを単焦点レンズにするか?さらにズーム範囲が広いレンズを買うか迷っていました。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROの作品をFlickrで見てみると非常に解像感がある写真が数多くあり、ズーム端では想像以上にボケ味もありそうです。
そしてオリンパスから値上げが告知された時点で、「よし。買おう」と決意しました。
結構高いレンズなので躊躇しますよね
実際使ってみたら値段の価値は十分にあるレンズだと思いましたよ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROの長所でよく挙げられているのが以下の3点です。
それぞれの長所について自分なりにチェックしてみました。
ワイドの12mmから望遠の100mmまでF4で撮影し続けることができます。当たり前ですがこれはいい。
すべての焦点距離で、同じ開放絞り値で撮影できる懐の深さを感じるレンズです。
絞りによって画像の雰囲気が変化するのを敬遠する方や、頻繁にズーム比率を変える動画のカメラマンにはかなりおすすめです。
あとで詳しく説明しますが、マクロ撮影しているかのように被写体にグイグイよれてピントが合うのも長所の1つです。
ワーキングディスタンスが1.5cmです!
かなり寄った撮影ができちゃいます
最大撮影倍率は0.3倍ですが、マイクロフォーサーズなので焦点距離は2倍となりマクロレンズと同じような使い方ができるのも魅力です。
カメラとの組み合わせにもよりますが、最大6.5段分の手ぶれ補正効果を期待できます。
ボクの場合、このレンズと合わせて使っているのがLUMIX G9で、ボディに手振れ補正が搭載しているため手ブレはほとんど生じません。
使ってみている感じ、OM-Dシリーズと一緒に使ってみた時よりは効きが悪い感じがしますが、それでもまずまず問題ありません。
光量が少ない夜間撮影の時なんかは3秒くらいシャッターを開けていてもブレないくらいです。
普通は1秒でも開けるとすぐにブレてしまいますよね。
焦点距離12mm F4.0 シャッター速度3.2秒 ISO100 写真拡大
この写真はシャッター速度3秒、広角端で手持ちで撮影したものです。
手ブレしてるようには見えないですよね。
焦点距離100mm F4.0 シャッター速度3.2秒 ISO100 写真拡大
次は望遠端で撮影してみました。
焦点距離200mmだとさすがにブレは生じますが、それでもシャッター速度3秒も開けていても見れる写真が撮れてしまいます。
マクロ撮影の時には片手でカメラを持って、もう片方でレフ板を持って撮影するなんて荒業もできちゃいます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROの短所としてよく挙げられている項目についても検証してみます。
それぞれの短所について検証していきます。
重量が重い
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO |
561g |
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M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO |
382g |
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO |
534g |
同じPROシリーズのレンズと比べると、サイズも大きくて重さもあるみたいですね。
ED 12-40mm F2.8 PROと比べるとサイズは一回り大きいぐらいですが、重量は1.5倍も大きくなります。
オリンパスのレンズをこれまで使っていた方は少し重く感じると思います。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S. |
320g |
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LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH. H-E08018 |
315g |
LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S. |
655g |
Panasonic LEICAレンズと比べるとかなり重さを感じます。
G9 ProのレンズキットであるLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mmと比べると200g以上の差があってかなり重いです。
ただ、フルサイズ一眼や一眼レフカメラをこれまで使っている方にとっては重すぎると感じないのではないかなと思います。
SONYのズームレンズと比べたらかなり軽く感じました
「マイクロフォーサーズの軽量さが標準のカメラになる感じ」と考えてくれたら一番伝わると思います。
価格が高い
値段は確かに高いんですよね。
初心者の人がいきなり手を出すには100%躊躇してしまう価格かもしれません。
他社のカメラの同じようなズーム領域を持ったレンズと比較してみます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO |
14.6〜17万円 |
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LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 II ASPH./POWER O.I.S. |
5.7〜8.2万円 |
E PZ 18-105mm F4 G OSS |
4.4〜6.2万円 |
FE 24-105mm F4 G OSS |
13.7〜16.4万円 |
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR |
11.2〜12.5万円 |
RF24-105mm F4L IS USM |
13.4〜16.5万円 |
※価格は2020年7月時点で価格コムで調べたものです。
こうやって比べてみても高いですねぇ..
マイクロフォーサーズレンズはフルサイズに比べて安いのがメリットと言われていますが、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mmに限ってはフルサイズ並みの値段です。
マイクロフォーサーズの動画用途で人気があり、値崩れもしていないですが、今後パナライカの動画向けレンズが出たら安くなるかもしれませんね。
中古だと少し安いですよ。
重いと言われていますが、カメラと合わせたときにはそこまで気にならないです。
ズームレンズはある程度の重量があった方が安定するので、35mm判換算で望遠端200mmの焦点距離となるレンズとしてはちょうどよい重さだと思っています。
シャッタースピードを遅くして、しっかりホールドしたいときにはレンズが軽すぎると撮影が上手くいきません。
撮影時はこれくらいの重さでちょうどいいんじゃないでしょうか。
価格は確かに高いんですけど、高級感のある見た目と得られる画像を考えればむしろ安い買い物をしたと感じました。
特にイイと思ったのがオートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替えです。
マニュアルフォーカスクラッチ機構がめちゃくちゃ操作しやすいです。
フォーカスリングを引くと、オートフォーカスからマニュアルフォーカスへ切り替えられる作りはこのレンズ以外でも一般的です。
なので仕組み自体は慣れているからさほど驚きません。
どこが良いかと言うと、すこしひっかかりがあるので誤って切り替わってしまうこともなく、ゆっくり引けばほとんど音を出さずに切り替えられます。
動画撮影ではこの動作音がマイクに雑音として入りそうで気になって使えないことがあるのですが、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは問題なしです。
またフォーカスリングを回すと、拡大表示とピーキング表示が自動で起動してくれるのも評価できるポイントです。
撮影の時にこの機能はかなり助かります。
いちいちマニュアルで設定変更をしなくていいからすぐに撮影ができます。
レンズのビルドクオリティ(質感)はかなり高めです。
外観をチェックしていくと、測距目安の数値やレンズ名が刻印されているのが良いです。
プリントじゃなくて刻印というのが重厚感を感じちゃいます。
操作するとほどよい抵抗感があるズームリングとフォーカスリングが秀逸です。
メタル製のローレットがキレイだし、回すとある程度ねばりもあります。
撮影の度に触るズームリングとフォーカスリングの重さってかなり大切です。
ここが軽すぎると安っぽい感じがして残念なのですよ。
でもこのレンズは高級感のある重みがあり、good!です。
ズームレンズは単焦点レンズよりも画質が劣るイメージがありますが、その先入観を吹き飛ばしてくれるぐらいの画質がこのレンズで得られます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは開放でもしっかりとした描写力を見せつけてくれます。
焦点距離12mm F4.0 シャッター速度1/640 ISO100 写真拡大
例えば、絞り開放で撮影してもくっきりとした輪郭となり、ビルの写真を撮ってもF4.0からシャープです。
広角 | 望遠 |
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F4 画像拡大 |
F4 画像拡大 |
F8 画像拡大 |
F8 画像拡大 |
F16 画像拡大 |
F16 画像拡大 |
少し絞って撮影すると、解像感のある写真が撮影できてしまいます。
F4
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F8
|
F11
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F16
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逆光条件での撮影でもフレア・ゴーストが現れにくく、パープルフリンジも出ないのでホント使い勝手が良いです。
焦点距離100mm F4.0 シャッター速度1/160 ISO100 写真拡大
接写性能はかなり高いですね。
はっきり言ってカタログの数値以上に接写性能が高いように感じます。
だって被写体に1cmくらいまで寄っても余裕でピントが合うんですよ
接写撮影をしてボケを増減させてみたり、ズーム倍率でボケを出したり色々な撮影を楽しめます。
背景と被写体の圧縮率のバリエーションをたくさん楽しめるレンズです。
このレンズは丸ボケが得意です。
焦点距離15mm F4.0 シャッター速度1/400 ISO12800 写真拡大
夜間の撮影などをするときに光が素直に丸くボケてくれます。
ズームレンズはきれいな玉ボケにはなりにくいですが、滲みも少なくキレイです。
焦点距離100mm F5.6 シャッター速度1/400 ISO12800 写真拡大
光量の少ない玉ボケはすこし玉ねぎボケがありますが、目立つほどでもありません。
一般的な万能ズームレンズだと、光が上手く丸くなってくれなくて楕円形になりがちなんですよね。
でもM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは、キレイな丸ボケを表現した撮影が可能です。
二線ボケになることもほとんど無いので使いやすいですよ。
重量だけを見たら携帯性はさほど高くないかもしれません。
でもこのレンズ1本だけで済むことを考えると携帯性は良いかもしれません。
ズーム時は繰り出し式のM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
これ一本だけで35mm判換算24mmから200mmに対応できます。
描写力もあるので、たくさんレンズを持って行く必要がなくなります。
他のレンズを自宅に置いていけると考えれば、荷物全体の重さはさほど変わらないかもしれません。
動画の撮影仕事でこのレンズを使ってみました。
ズームリングもスムーズでマニュアルフォーカスの切り替えも簡単です。
三脚に乗せて撮影するときは手ブレ補正をオフにしますが、オンオフのスイッチもレンズ側面にあるので切り換えしやすいです。
マイクスタンドを使って固定カメラにしたときもレンズの重さで前に倒れることはありませんでした。
「重い」と言われていますが、フルサイズレンズに比べたら大した重さではありません。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは、これ一本だけでいろんな焦点距離に対応できるため、お買い得感は強いです。
レンズをどんどん追加できない方が所有すると、特に愛着が湧く一本になるのは間違いありません。
いろんなレンズを揃えておかなくても、これさえ持っていれば安心なので便利です
すでにマイクロフォーサーズ用のレンズを何本か持っている方は、このレンズを買ったら手元にあるレンズが不要だと感じてしまうかもしれませんよ。
使い勝手が良くて高画質の高倍率ズームレンズを探している人には特におすすめの逸品ですね。
こんな感じです!
オリンパスのレンズ技術は医療用機器に採用されているだけあって、抜群の解像力と描写力があります。
残念ながらオリンパスは2020年にカメラ事業を売却し、日本産業パートナーズが事業を継続していくこととなりました。
だけどそれによって商品の価格が値下がりしていないのは、やはりそもそもの商品価値が高いことの証明と言えます。
マイクロフォーサーズの規格がなくならない限り、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROの人気はこれからも続くのではないでしょうか。
今からでも全然買いのレンズであることは間違いないですよ。