LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.を手に入れて1年間使ってみました。
ライカレンズはPanasonicのマイクロフォーサーズ機 GHシリーズを使う方にとても人気のレンズです。
だけど値段がちょっと高いんですよねえ..
結論から先に言うと
という感じで解像感においては不満を感じるものの、買う価値は十分にあるレンズです。(どっちやねん)
ブログタイトルでは「イマイチ」と釣りタイトルを付けましたが??
M.ZUIKO DIGITAL ED12-100mm F4.0 IS PROを買うまでは超お気に入りだった標準ズームレンズのLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm。
こいつの手振れ補正機能がbmpcc4Kでどのぐらい効果があるのか楽しみ?? pic.twitter.com/LBtlbEasok— おーとふぉーかす@ブログと動画編集でメシを食う (@sonycameralove) September 13, 2020
うまく買えば十分元が取れるパナライカレンズですよ。
このエントリーではボクの作例を含めて詳しくレビューします。
後半ではLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.を上手に買う方法も紹介しますよ。
このレンズの長所は三つあります。
具体的に三つのポイントを説明します。
フルサイズの万能ズームレンズ並みの撮影領域
35mm判換算で24mmから120mmまでの幅広い領域をカバーしています。
パナライカの標準ズームですが、フルサイズの万能ズームレンズ並みのズーム域です。
さすがマイクロフォーサーズ。望遠に強い!ここまでカバーしてくれるのはマジ助かります。
フルサイズレンズに比べてボケ描写が弱いマイクロフォーサーズでは、私は望遠でボケを出しています。
自然な手前ボケと背景ボケになります。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mmで撮影 拡大写真
旅行先で撮影する場合は、レンズ一本で対応したいですよね。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mmはコントラストがしっかり出るので、天候の良い日の風景撮影ではまずまずです。
外出先でいちいちレンズを交換しなくて良いので、旅行の時などは便利です。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mmで撮影 拡大写真
また、最短撮影距離が0.2m(望遠時は0.24m)、最大撮影倍率は0.6倍でかなり寄れるレンズです。
上の写真はレンズの望遠側で左の瞳にピントを合わせられる最短距離まで寄りました。
マイクロフォーサーズは寄りに強いデス
テーブルフォトやブログ用写真の物撮り、マクロ撮影にも使い勝手が良いと感じています。
Dual I.S.対応のライカ12-60mm
新開発のDual I.S.2はさすがの高性能です。
Dual I.S.2は上下左右のブレだけでは無く、回転するブレや角度のブレなんかにも対応してくれています。
カメラボディに手振れ補正を搭載しているパナのミラーレス一眼なら五軸のブレ補正をしてくれるため、ブレのないしっかりとピントの合った撮影ができちゃいます。
光学式手ぶれ補正の技術で毎秒4000回のブレ検知をしているそうです。
これならシャッタースピードを遅くする夜景の手持ち撮影や、流し撮りの撮影もピントが合って歩留まりが良いデス。
ホコリが入りにくいパナライカレンズ
LEICA12-60mmはホコリや水滴が内部に入らないような防塵防滴仕様になっています。
防塵防滴仕様をうたうレンズはここ数年飛躍的に増えていますが、実際使ってみるとホコリがレンズに入ってしまうことは良く起こっています。
ところがライカのLEICA12-60mmは今のところまだ目立つゴミは入っておりません。
私はゴミや汚れがつきやすい料理動画にも使っていますが、今のところレンズの表面に取れなくなった汚れはありません。
これならホコリの舞いやすい運動会の撮影でも気兼ねなく使えるレンズです。
運動会の撮影にも最適です
操作性において文句の付け所がない LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.ですが、私がこのレンズの短所だと思う部分を挙げるならこの2つです。
解像度が物足りない
レンズの価格を考えると、このレンズはパナライカ(マイクロフォーサーズ)の大三元レンズでしょう。
であればもっと解像感があるレンズになっていてほしいです。
オリンパス大三元レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm f2.8 PROの作例 引用元:Flickr
同じマイクロフォーサーズのオリンパス大三元レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROはとても優秀な解像力になっています。
価格も同じぐらいなので、もう少し頑張ってくれてもいいんじゃないかな?パナライカ
他の同じ価格帯のレンズと比べると若干解像度が落ちる気がするんですよねえ。
絞りが通しではない
これも解像力と同じようなことですが、同様の価格のオリンパスレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO ではF2.8通しになっています。
LEICA12-60mmはズーム撮影の時に、F値が変わります。
元々ボケ味においてはフルサイズに劣るマイクロフォーサーズなので、なるべくF値を開放で撮りたいところですが、このレンズはズームにするとすぐにF値が上がってしまうのが残念なところです。
ここではLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.の欠点を挙げてみました。
解像力が物足りない点に関しては、個人的な好みかもしれませんので、あんまり鵜呑みにしないでください。
私はシャープな描写が好きなので、物足りなさを感じているのかもしれません。
どっちかというとLEICAのレンズはやわらかい表現が得意だから、解像力が無いように感じるのかもしれないです。
カールツアイスの描写が好きな方はLEICAのレンズも気に入ると思います。(似ていると思うのは私だけでしょうか?)
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mmは320gと非常に軽いレンズで、オリンパスのProシリーズと比べても軽いです。
ライカ 12-60mmの軽さは動画撮影でとてもメリットが大きいです
LEICA DG VARIO-ELMARIT |
M.ZUIKO DIGITAL ED |
|
---|---|---|
焦点距離 |
12-60mm |
12-40mm |
レンズ構成 | 12群14枚 | 9群14枚 |
最短撮影距離 |
広角:0.20m〜∞ |
0.2m |
最大撮影倍率 | 0.3倍(35mm判換算 0.6倍相当) | 0.3倍(35mm判換算 0.6倍相当) |
絞り羽枚数 | 9枚羽根 円形虹彩絞り | 7枚(円形絞り) |
最大F値 | F2.8~4.0 | F2.8 |
最小F値 | F22 | F22 |
フィルターサイズ | O62mm | O62mm |
質量 | 320g | 382g |
防塵防滴設計 | ○ | ○ |
販売価格 | 8.3〜11万円 | 8.8〜10.4万円 |
操作性良好なLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.
操作性はかなり良いと感じますね。
左手でレンズを支えて操作をしたときにとてもしっくりくるのです。
焦点距離を変えるときにズームリングの抵抗感がちょうど良いんですよ。
重すぎず軽すぎずホントに心地よい感じ。
またフォーカスリングも一回ピントを合わせたら、ずれない程度のねばりがあるので安心感があります。
レンズ自体が軽量コンパクトなこともあり、前重にならずカメラ本体とのバランスが良好です。
マウント部も耐久性が高いから、レンズ交換の時に余計な心配をしなくて助かります。
金属素材で高級感があるLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.
レンズ本体の質感はしっとりとした金属素材で、高級感があります。
付属しているレンズフードもチープな感じはまったくしないです。
レンズフードを付けると外観がシャープになって個人的には好きです。
AF/MFの切り替えスイッチのポジションは良好
外観をチェックしていくと、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替えスイッチが付いているのが分かります。
手ぶれ補正の切り替えスイッチも付いています。
どちらもちょうど左手でホールドしたときに親指が触れるポジションに付けられています。
ライカの厳しいレンズ基準をクリアしているだけあって、もともとの基本性能が高めですが気になっている点を挙げてみます。
広角 | 望遠 |
---|---|
F2.8 画像拡大 |
F2.8 |
F4 画像拡大 |
F4 画像拡大 |
F8 画像拡大 |
F8 画像拡大 |
F16 画像拡大 |
F16 画像拡大 |
※ここでアップしている画像はロスレス圧縮しているので、実際のフルサイズ画像はもう少し良いと考えてください。
LEICA12-60mmはコントラストがよく出るレンズなので、一見シャープに見えますが、拡大すると解像感は程ほどのレンズです。
これはマイクロフォーサーズセンサーだから仕方がないかもしれません。
広角側でF2.8の最大開放値で撮る場合、周辺の光量落ちが目立ちます。
F4.0まで絞ると光量落ちは解消します。
広角 | 望遠 |
---|---|
F2.8 画像拡大 |
F4 画像拡大 |
F5.6 画像拡大 |
F5.6 画像拡大 |
広角側の逆光耐性は高く、F2.8でフレアやゴーストが発生しにくいレンズです。
望遠時は逆光耐性が落ちて、フレアがよく発生します。
接写性能を確認するために寄りの撮影を検証してみます。
望遠端でピントが合うギリギリまで寄った状態
最大限寄った写真 フルサイズ
マクロレンズではありませんが、望遠で24センチまで被写体に接近できます。
被写体の表情をしっかり切り取ってくれる接写性能を持っています。
24センチギリギリまでよっても、丁寧に色彩コントラストを映し出してくれます。
背景ボケもボケボケにならず適度なボケでキレイなのが魅力的です。
万能ズームレンズは寄りに弱い傾向がありますが、このライカ12-60mmは接写性能が非常に高いといえます。
ブログやSNSにアップする写真を撮るのも最適で、GHシリーズやG9ユーザーなら持ち出す頻度が多くなりそうですね。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.は、なめらかなボケ味を出してくれるレンズです。
ズーム端(60mm)開放値F4で撮影したら、後ろから手前までキレイにボケを演出してくれました。
あざとくなくて自然なのが好印象。
風景の撮影でも人物の撮影でも重宝しそうなレンズです。
これならシチュエーションを選ばずに使っていけそうです。
計量コンパクトなLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm
パナライカの大三元レンズと考えると、コンパクトなサイズに抑えていると思います。
フルサイズセンサーの大三元レンズと比べると半分以下の重さです
あえて開放値を明るくしない方向で設計したために、ここまで重量を抑えられたのかもしれません。
だから携帯性は十分と言えます。
しかも、防塵と防滴、さらに防寒仕様になっているのでガンガン外に持ち出しても安心です。
悪天候の時なんかにも気兼ねなく使えるレンズです。
高い質感と操作性を併せ持つLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm
さすがLEICAという実力派のレンズ。
外観の高級感だけで無く、重厚感がある操作性や高い機能性を考えるとお買い得感のあるレンズです。
広角もマクロも対応してくれるから普段使いがしやすいです。
高性能で携帯性の高いレンズを探している人に、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.はおすすめのレンズです。
タイトルでディスった感じになっていますが、使用頻度が高いレンズなのは間違いありません。
このレンズはLUMIX G9 でレンズキットとして販売されており、キットレンズとは思えないような画質が得られたことには感動しました。
G9レンズキットでLEICA12-60mmを手に入れるなら断然オススメだと思います。
このレンズを単品で買うとするとやや割高な感じがしますので、オリンパスレンズも選択肢に入れるとすると、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROやM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROもオススメです。
今年の2月に値上げ告知があり即ポチった
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
オリンパスがカメラ事業を売却しましたが、市場価格は全然値下がりしていない。
買ってよかったと思えたレンズの1本です。
パナ機をこれから買う方はカメラボディとこれ一本買えば当分の間ご満悦ですよ。 pic.twitter.com/rr79pfaiKJ— おーとふぉーかす@ブログと動画編集でメシを食う (@sonycameralove) July 15, 2020
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROも気になる方以下のレビュー記事も合わせて読んでみてください!
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